透湿係数の比較表
項目 |
透湿係数 (h・mmHg) |
透湿抵抗 (h・mmHg) |
透湿比抵抗 (h・mmHg) |
セルロースファイバー 100mm 40kg/ | 0.73 |
1.37 |
13.7 |
グラスウール 50mm 10kg/ | 2.8 |
0.36 |
7.14 |
グラスウール 100mm 16kg/ | 1.2 |
0.83 |
8.33 |
ロックウール 50mm 80kg/ | 2.0 |
0.50 |
10.0 |
ポリスチレンフォーム 25mm 20kg/以上 | 0.064 |
15.62 |
625.0 |
セルロースファイバーは湿度60%を境に調湿しますが、限度を超えると吸湿しなくなります。
その能力は高く、躯体側に到達するまでファイバーが保管するために結露しません。
グラスウール・ロックウール等の繊維系断熱材との違いがここにあります。
セルロースファイバーの透湿抵抗は上記(透湿係数の比較表)のように1.37と小さいのですが、
グラスウール・ロックウール等が持たない吸放湿性があります。
この特性は、防湿シートを設けなかった場合、グラスウール・ロックウールはスポンジ
のように水蒸気を吸ってしまいますが、セルロースファイバーはセルロース繊維の分子と
水蒸気の分子とが分子構造膜をつくり、その構造膜によって水蒸気の吸収を制限します(平衡含有率15%)。
そのため、水蒸膜を連続発生させてもセルロースファイバーは吸湿しつづけて、びしょびしょにはならないように抑制されるのです。
従って、一般的にセルロースファイバーは、透湿抵抗がグラスウール・ロックウールと
同様に小さいため、結露でスポンジ状になるのではないかとの問い合わせが多いのが現状です。
ハイ・サームは熱伝導率0.033cal/m・h℃ですが、水分の15%を吸収した場合の性能低下は
0.0355cal/m・h℃前後で、それ以上の低下はありません。
通常、住宅の生活状況におけるセルロースファイバーの水分量は5%〜10%の間と考えられます。